ご案内

キャスターは、時間帯にふさわしい品ぞろえとそれに沿った陳列方法を可能にした。

天候の変化によっても客の求める商品は変わってくる。 キャスター付きの陳列棚なら、天気で大きく変わる雑貨類の陳列棚をより目立つ場所に移動させられる。
柔軟で機動的な売り場をつくり、売り逃しを防ぐためである。 客は自然と店にやってきて商品を買ってくれるという受け身の商売ではなく、店の側からいかに消費者に近づけるかを、Sはいつも意識している。
このキャスター作戦はY堂でも採用された。 小さなキャスターといっても全店の陳列棚に取り付けられると、総額約2億円の大型投資となった。
ゴンドラは日々改良が加えられた。 92年当時に1店舗あたりの棚の面積は152平方メートルだったものが、04年には99.8平方メートルまで3割強も増えた。
この間に「S」には大型のアイスクリーム売り場やS銀行の現金自動預け払い機(ATM)、マルチコピー機、冷蔵ケースなどが次々と導入され、その度にゴンドラの設置数は削られる運命にあった。 しかし、ゴンドラそのものを改良することで商品の陳列スペースは逆に増えた。
ゴンドラの改革は書籍・雑誌の陳列棚でも行われた。 ピラミッド型の陳列となったことで棚の下段に平積みした書籍も目立つようになった。

書籍の陳列棚は4、5台を連結させて売り場を作る。 これまでは一台一台に仕切りがあり、棚と棚とをまたがって陳列することは出来なかったが、新型では仕切りを取り払い、雑誌陳列の柔軟性が高まった。
傘の陳列台も見直した。 とっさの雨の時には出入り口に素早く設置可能なようにキャスターを着け、しかも安定性を高めるためにストッパーを取り付けた。
傘をつるすバーの高さを可変にし、同時にピラミッド型の段差をつけた。 これで長さの異なる様々な傘の陳列を可能にした。
通常の陳列棚と異なり、バーに傘をつるすと、陳列台の背面の部分に空洞ができる。 そこに在庫用の傘を収納しておけば、急に雨が降ってきた時、傘の補充が簡単にできる。
陳列される傘の本数はおよそ50本近くになり、その陳列数とほぼ同数の傘が在庫として陳列台に収まることになった。 客の立場に立った売り場作りをしながら、結果として従業員の作業効率も高める取り組みに終わりはない。
2006年春から新規店舗の床の素材が変わった。 これまで99年からは非塩ビ系床タイルを使っていたが、これをセラミックタイル(人工大理石)に切り替えた。
光沢があり蛍光灯の光までが床に映る。

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